
心霊スポットとして取り上げられ、10年以上荒れ放題で廃虚のまま放置されてきた厚木市山際の旧病院跡地について、厚木市は30日、大阪府堺市の公売を落札し取得した、と発表した。旧病院跡地は落書きや火事、事件などが発生していて、住民から「迷惑施設」解消の要望が強かった。市は建物を撤去し、将来は公園用地として使途を検討していくという。
取得したのは土地約2600平方メートルと、鉄筋5階と8階建てなどの建物約5100平方メートル。価格は1263万円。
厚木市によると、病院は1979年に「河野病院」として開設され、その後経営者が変わって「山際病院」「厚木恵心病院」となり、恵心病院は97年4月に休業し2003年1月に廃止された。150床の老人病院だったという。
休業状態になって以降、管理者が実質上不在で、建物への落書き、ごみの不法投棄をはじめ、市が把握しているだけで火災が4件、強盗事件1件が発生したという。国道129号沿いで、廃虚が目立ち、テレビ番組などで心霊スポットとして取り上げられていた。昨年9月の強盗事件は、肝試しの少年らが別のグループに襲われて現金を奪われたという。
地元からの再三の迷惑施設解消要望を受け、市は対策を検討してきたが、権利関係が複雑だった。しかし、所有者の宗教法人(大阪府)から堺市が税の滞納で差し押さえ、公売することになったため今月23日に落札したという。取得価格は市の見積額約3200万円より低かったが、建物撤去費用は市の負担になる。
跡地周辺は、市の都市マスタープランで防災機能を持つ公園計画があり、跡地は公園用地として検討。その間、高さ3メートルの仮囲いをするなどして24時間態勢で警備していくという。
長年の懸案解決に、付近の市民農園を借りている男性会社員(39)は「心霊スポットといわれ、暗くなるとぞろぞろと人が入り、廃虚で騒いでいた。あきらめていたが、市が取得してくれてすばらしい」と話していた。
posted by ちーず。 at 00:18
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