
茅ケ崎市は、同市堤に菩提寺(ぼだいじ)がある「大岡越前守忠相」に焦点を当てた市史ブックレット「ちがさきと大岡越前守」を販売している。忠相が目をつぶり、毛抜きを使ってあごひげを抜きながら物思いにふける様子を描いた肖像画などが掲載されている。
市文化生涯学習課によると、肖像画は明治時代に出版された「大岡政談」に掲載されたもので、大岡政談を所蔵する埼玉県在住の吉沢英明さんから使用許可を受けた。
故・宇野修平さんの著書「大岡越前守」には、忠相は町奉行として容疑者を取り調べる際に毛抜きを使用。容疑者の顔を見ずに目をつぶって容疑者の主張を聞いており、毛抜きは「御心の中で、善悪邪正をおきめになるための御工夫とのことでございました」との記述があるという。
同課は「忠相がいかに公平に裁こうとしたかを象徴するエピソードの一つでは」と分析する。
ブックレットはそのほか、忠相の生涯や業績、徳川吉宗とのかかわりなどを詳細に紹介。肖像画だけでなく、奉行所跡から出土した木札などの貴重な資料も掲載している。
A5判、48ページで350円。1500部発行。同課のほか、市内の書店などで販売している。
問い合わせは、同課電話0467(82)1111。