
世界最大級の豪華客船「クイーン・メリー2」(QM2)が、2011年の日本寄港地を横浜港から大阪港に変更することが27日、分かった。横浜には日本初寄港の09年から2年連続で寄港したが、横浜ベイブリッジをくぐれず貨物船専用岸壁に誘導したため、乗客から不満が出ていたという。
運航するキュナード・ラインが同日までに横浜市に伝えた。今後の解決策も見当たらず、横浜港では今年2月の寄港が見納めになる可能性が出てきた。
QM2は日本に寄港する客船では過去最大の15万1400トン。「洋上の宮殿」と称される。世界一周クルーズの日本寄港地として大阪、長崎、神戸港などが積極的に誘致している。
横浜市は09年の横浜開港150周年の目玉として、日本初寄港の誘致に成功。しかし海面からの高さが62メートルあり、かつての豪華客船「クイーン・エリザベス2」(QE2)を想定して造られたベイブリッジ(橋下約55メートル)を通過できず、大さん橋国際客船ターミナルへの着岸を断念。大黒ふ頭に着岸した。
臨時の客船施設が設けられたが、乗客がつまずき転倒するトラブルもあったという。キュナード・ライン側は「乗客に不便を掛けており、横浜市に改善を求めてきた」(日本代理店クルーズバケーション)が、解決策が見いだせなかった。
横浜市港湾局賑(にぎ)わい振興課は「限られた予算の中でベストを尽くした。大さん橋に着岸する客船の誘致に引き続き力を入れたい」と話している。