
赤い車体に白い帯の入った姿で長年親しまれてきた、京浜急行電鉄の通勤型車両「1000形」の引退イベントが30日、横須賀市舟倉の車両工場「京急ファインテック久里浜事業所」で行われた。本年度内での引退が決まっている”京急の顔”を一目見ようと、多くの鉄道ファンが県内外から駆け付けた。
毎年恒例の工場開放と同時開催。1000形は1959年に登場し、78年まで京急で最多となる356両が製造されたかつての主力車両。老朽化のため、2007年から省エネ型の「新1000形」との入れ替えが進められており、現在は大師線(京急川崎―小島新田)での運行が主流になっている。
多くの鉄道ファンの熱気に包まれたセレモニーでは「ありがとう1000形」とデザインされたオリジナルヘッドマークを現役最後の1000形1編成に取り付けたほか、運転に長年携わった元運転士らによるトークショーも行われた。
熱心にシャッターを切っていた、埼玉県加須市の会社員(35)は「小さいころに買った鉄道の本の最初に載っていた車両。もうすぐ見られなくなるのは寂しいです」と感慨深げに話していた。