
三浦半島一帯を拠点とした中世の武家、三浦一族の興亡をしのぶ「道寸祭り」が30日、三浦市三崎町小網代の荒井浜海岸で開かれた。馬上から的を射抜く勇壮な笠懸(かさがけ)が披露され、詰め掛けた観衆を魅了した。
市や市観光協会などでつくる実行委員会の主催。笠懸は平安時代末期から鎌倉、室町時代にかけて流行した流鏑馬(やぶさめ)や犬追物(いぬおうもの)と並ぶ三大古弓馬術の一つで、武術に優れた三浦一族の“お家芸”だったという。
狩り装束に身を包んだ武田流一門の射手たちが馬にまたがり、波打ち際に設けられた弓なりの馬場約200メートルを疾走。射手の放った矢が的をとらえるたびに「パン」という乾いた音が砂浜に響き、見物人からは歓声と拍手がわき起こった。