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2009年07月24日

10億円憩い場、水の泡/横須賀市の流水施設次々故障

 横須賀市の東京湾側の海岸線を結ぶ遊歩道「1万メートルプロムナード」に整備した流水施設が次々と故障している。ところが市は補修費などがかさむとして、最終的に残すのは17基のうち4基だけ。残りは稼働させず、「モニュメント」や芝生にしてしまう。10億円を投入して整備した市民憩いの施設だけに、ずさんな管理体制が問われそうだ。

 水道水を利用した流水施設は、「よこすか海岸通り」の日の出町2丁目から三春町3丁目まで約2キロの間に17基ある。「航海」をメーンテーマに、市港湾部が国の港湾環境整備事業費補助を受け1990年度から4年間かけて整備した。96年7月からは道路管理者の市土木みどり部が維持管理している。

 ところが、その翌年から流水施設のポンプが次々と故障し始めた。一番南側に位置する三春町3丁目の壁面流水施設と噴水の計3基は10年以上修理せずに停止したままだ。同部の担当者は「3基を修理するのに2500万円かかる。財政的なゆとりがなかった」と釈明する。ほかの施設も修理せず、稼働しているのは8基だけだ。

 これに対し、市民からは「なぜ止まっているのか」という問い合わせや、停止している流路の水たまりで発生する蚊に悩まされる周辺住民からの苦情も。このまま放置すればさらに補修費もかさむとして、今年から7年かけてようやく一部を補修することにした。

 計画によると、現在稼働している8基のうち噴水3基は「水しぶきが飛ぶ」との苦情が歩行者からあるため停止してモニュメント化した。別の噴水2基と流路1基は当面稼働させるが、壊れた段階でモニュメントにする。既に停止している9基のうち日の出町2丁目の流路と壁面流水施設の計2基だけは補修する。

 その結果、最終的に存続させる流水施設は4基にとどまる。担当者は「17基全部を稼働させると光熱水費が年3千万円かかる」と維持管理の面からも全施設の存続は困難と説明した。ただ、補修や噴水施設の芝生化などでも1億円かかるという。その場しのぎの対応が、結果的に財政面で大きな負担を強いることになってしまったようだ。

◆1万メートルプロムナード JR横須賀駅から観音崎まで約10キロの海岸線を結ぶ遊歩道。国、県、市の協力で整備を進めている。流水施設は通常、土・日曜日と祝日のみ稼働しているが、今年は18日から8月末までは平日も稼働する。
posted by ちーず。 at 09:00 | TrackBack(0) | 横須賀市
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