
中世の城があったされる伊勢原市下糟屋の丘陵地に建設が進められていた「丸山城址(じょうし)公園」が完成、1日オープンした。1998年の事業開始から、文化財調査や用地買収などで、12年がかりで完成となった。
同公園は面積約2・4ヘクタールで、ひな段状の丘陵地帯に周囲の自然を残して整備した。上段部には直径70メートルの円形に近い多目的芝生広場やベンチ、屋根の付いた休憩施設、あずまやなどが配置され、下段部には幼児や児童の遊び場として滑り台や回転遊具などやトイレが設けられた。総事業費は約22億200万円。
オープンした1日は、連休中で好天にも恵まれ、多くの親子連れが訪れていた。多目的芝生広場では、ボール遊びに興じる親子が歓声を上げていたほか、あずまやでは軽食や飲み物持参の子どもたちが笑顔で楽しんでいた。
同公園は、区画整理事業予定地だったが、市の調査から堀、土塁などの城郭遺構が確認され、室町時代後半の陶器などが出土した。1998年に都市計画公園事業の認可を受け、06年から08年度にかけて遺構の確認調査を行った。結果、太田道灌の主君上杉定正に関連する城の可能性が考えられるとしている。城郭遺構は公園の下に保存されている。