
二宮尊徳研究の第一人者として知られる故佐々井信太郎さんと、長男の故典比古さんの足跡を紹介する展示会「現代報徳をひらく―佐々井信太郎 典比古父子の歩み―」が、小田原市南町の報徳博物館で開かれている。31日まで。
信太郎さんは1874年、兵庫県生まれ。神奈川県立第二中学校(現小田原高校)で教師をしていた1900年代初めに尊徳研究を本格化。県社会教育課長や、尊徳が実践した「報徳思想」の普及を目的にした大日本報徳社の副社長などを務め、71年8月、97歳で死去した。
典比古さんは17年、現在の小田原市生まれ。信太郎さんの影響で尊徳研究の道に入った。副知事など県の要職をこなした後、70年代後半から研究を本格化。98年まで報徳博物館の初代館長、91年からは博物館を運営する報徳福運社理事長を務め、昨年3月、91歳で死去した。
会場には、信太郎さんが研究家としての地位を固めた二宮尊徳全集全36巻や、尊徳の弟子の著作を現代語で紹介するため、典比古さんがそのほとんどをまとめた現代版報徳全書全10巻など約300点が並ぶ。
さらに、報徳思想の実践方法などの普及を目的に52年に設立された一円融合会の月刊機関誌「かいびゃく」の創刊号(52年9月)から最終号(2000年11月)まで全577冊を展示している。同会の初代理事長は信太郎さん、第2代を典比古さんが務めた。
6、7、10〜12、19、26日休館。午前9時〜午後5時(入場は同4時半まで)。大人200円、小学生から19歳まで100円。問い合わせは同館電話0465(23)1151。