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2010年05月07日

横浜市内の銭湯の特色や歴史を網羅したガイドブック刊行

さあ、ヨコハマ銭湯へ行こう!
 50周年を迎える横浜市浴場協同組合が、記念誌「さあ、ヨコハマ銭湯へ行こう!」(1300円)=写真=を刊行した。市内105軒の特色や歴史を網羅したガイドブックだ。近年は大型入浴施設に押され、後継者不足と相まって経営は厳しいが、風格ある建物や懐かしい脱衣かごは銭湯ならでは。瓶の牛乳もよく似合う。いま一度“わが町のお風呂屋さん”を訪ねてみては―。

 神社仏閣と見まがうような格調高い破風屋根。銭湯の典型のようだが、実はこれ、東京周辺に特有の様式だそう。この本によれば江戸時代がルーツで、関東大震災後の復興過程で本格的に広まった。昭和30年代初めに建てられ、今も堂々たる木造建築をとどめる南区の仲乃湯を訪ねた。

 「祖父が宮大工に頼んで建てたそうです」と案内してくれたのは、3代目の高野善民さん(43)。のれんをくぐると、角材を格子に組んだ見事な格(ごう)天井が目に入る。ニスが塗り重ねられた柱やはりが、あめ色に輝く。「手入れが大変」と高野さんは苦笑するが、脱衣所や浴室は清潔そのもの。毎日、念入りに掃除し、お客を迎えるという。

 市内の銭湯の数は、1976年の479軒がピークで、以降は内風呂の普及とともに減少。今や2割ほどになってしまった。「昔はお客同士がカランを取り合うほど込んでいました。燃料のまきも、同業者に先を越されまいと競争でした」と、同組合理事長の谷口昭一さん(77)は懐かしむ。

 温泉ほど大仰でなく、家庭的な気安さが銭湯の良さ。最近では番台をやめてフロント式にしたり、気泡風呂を設けたりと、リニューアルも進む。「ゆったりできますよ」という谷口さんの言葉通り、人情が湯に溶け出しているようだった。

 本書の購入は、市内の銭湯か市浴場協同組合、電話045(252)4193。
posted by ちーず。 at 14:20 | TrackBack(0) | 横浜市
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