
シカをかたどった的を矢で射る「草鹿(くさじし)神事」が5日、鎌倉市二階堂の鎌倉宮で行われた。直垂や烏帽子など、鎌倉武士の狩り装束を身にまとった射手が2組に分かれ、弓術の腕前を競い合った。
1194年、源頼朝が富士の裾野で巻き狩りを行った際、獲物を射損じる家来があまりに多かったため、草の束をシカの形にして鍛錬させたことが草鹿神事の始まりとされる。
鎌倉宮での神事は、小笠原流鎌倉古式弓道保存会が1981年から実施。古来の伝統武術で子どもたちの健やかな成長を願うため、5月5日のこどもの日に毎年行っている。
神事は的奉行が進行役となってスタート。古来の礼法・作法にのっとり、約20メートル離れた的に1組4人の計8人が順番に矢を放った。的には24の印があり、矢が当たった個所を正確に告げないと命中とみなされないルールもあり、間違った答えで的奉行から命中を取り消されるシーンもあった。