
新江ノ島水族館(藤沢市片瀬海岸)は端午の節句にちなみ、「鎧(よろい)や兜(かぶと)をまとった生き物たち」を31日までテーマ水槽で展示している。海の中にも、戦国時代の武士のように甲冑(かっちゅう)をまとって外敵から身を守る生き物がいるという。
兜を思わせる甲羅を持つアメリカカブトガニは、カニよりもクモやサソリに近い生き物。恐竜がいた時代から、ほとんど姿が変わっていないので「生きた化石」とも呼ばれる。甲羅は硬いキチン質(つめと同じ成分)でできていて、脱皮を繰り返して成長する。
アヤメエビス、アカマツカサなどイットウダイの仲間は、鎧のような硬いうろこで全身が覆われているためソルジャーフィッシュ(兵士魚)という英名が付いている。その多くは夜行性で、昼間は暗い岩陰や洞穴などに潜んでいる。
イセエビの仲間は、いかつい殻が甲冑を連想させることから「具足海老」の別名を持つ。しかし、その触角は意外にも折れやすく、外敵が折れた触角にかぶりついている間に逃げるという、武士の風上にも置けぬ振る舞いをするそうだ。