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2010年05月25日

女性の意識を変えた鴨居羊子の「前衛下着道」に迫る回顧展

岡本太郎美術館
 下着のデザインをはじめ、絵画やエッセーなども手がけた鴨居羊子(1925〜91年)の回顧展「前衛下着道―鴨居羊子とその時代」が、川崎市岡本太郎美術館(同市多摩区)で開かれている。鴨居がデザインした下着のほか、制作した絵画や映像作品などを通じ、鴨居の全貌(ぜんぼう)に迫っている。

 鴨居は大阪府出身で、55年に新聞記者から下着デザイナーに転身した。当時、下着といえば白いメリヤスのものばかり。その時代にカラフルなナイロンの下着を発表し、物議をかもした。

 会場には、鴨居がデザインした作品がモニュメント風に展示されている。黒やオレンジ、黄色などさまざまな色の薄く透ける生地で作られた下着は、今見ても魅力的だ。

 鴨居は、下着を発表した個展の案内状に「下着は白色にかぎる―ときめこんだり(中略)とかく清教徒的な見方が今までの下着を支配してきたようです(略)」(同展図録より)と記している。白が常識だった時代に登場した美しい下着は、それを手にした女性の意識を変えるための、一つのツールでもあった。

 多才だった鴨居は多くの創作分野で活動し、作品を残した。今展に並ぶ約80点の絵画は、今も根強い人気がある。繰り返し描いたモチーフは、ひつぎに入って目を閉じる少女や、犬と猫、天使など。それらの絵からは、金色に染めた髪で新しい下着をデザインした、「とんがった」イメージとは違う鴨居の一面が浮かび上がる。

 また展覧会では、鴨居が岡本太郎に送った手紙や、親交のあった司馬遼太郎らの資料、写真家・細江英公らが撮影した写真なども展示されている。

 7月4日まで。一般800円。月曜休館。問い合わせは同美術館電話044(900)9898。
posted by ちーず。 at 15:55 | TrackBack(0) | 川崎市
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